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2009/05/28

ヴィオラスペース2009公開マスタークラス

 今年もヴィオラスペース(東京国際ヴィオラコンクール)の公開マスタクラス(ワークショップ)を聴講してきました。
 取りあえずのメモ。

5月25日

■講師:川本嘉子
■受講生:ウェンティン・カン
■受講曲:ヒンデミット:ヴィオラソナタ Op.11-4

・音程も音色・ダイナミックレンジの巾も良いが、自分をアピールすることが足りない。
・ピアノがfffの所でピアノが遠慮してしまっている。初めてのセッションということもあるが、自分で引き出して上げて。
・ヒンデミットはどうイメージしていたのか考えて。ただし、どうイメージするかはあなた次第。それが個性でありパフォーマンス。
・(ダウンで先弓になると力が抜ける?)弓の問題だけでなく右手も力を抜かないように。力を抜かないようにという気持ちが大切。
・ヴィオラ奏者は良い人が多いので、自分との闘い。
・いろんなボウイングができた方がいい。
・ずっと右足に重心がかかっているが両脚でしっかり立つこと。ただ膝が固くならないように。
・膝や息は、それが全てではないが一つの要素なので気にすること。
・ヴィオラは肩甲骨も腕の重みに入る。ダウンの時に力が抜けるので背中の筋肉をキープすること。
・どう聞こえるか常に意識して。私は第三の耳がホールの一番後ろにあると思って弾いている。

■講師:菅沼準二
■受講生:ギヨーム・ルロワ
■受講曲:シューベルト:アルペジョーネソナタ

・スムーズに弾けているがインパクトに弱い。
・第一主題と第二主題の差が余りない。
・この曲を弾くとチェリストにはずるいと言われるが、(難易度の高い)チェリストと同じくらい神経を使って弾いてほしい。
・Pf前奏が終わった後は、インパクトのある一番よい音で。
・pizzは親指を使わないで(?)。弦を押さえ込んでからはじく。そうしないと指が引っかかる音が入っちゃう。acord(arco?)も同様に必ず弓を乗せてから音を出す。

■講師:キム・カシュカシャン
■受講生:ユッシ・トゥフカネン
■受講曲:バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番

身体的なプラクティスを交えたレッスンとなる。波打つように弓を動かしたり、無駄な力を抜くために背中でピアノを押しながら弾いたり、アップボウの時に右足を上げたり。

・弓と弦の関係を密接に。減の振動に合わせて弾く。弦が弓をリードするように?
そうすることで芯がある音になる。
立体的な音になるように。
A線は特に意識するように。
・拍は一つ一つ違う。Upは早く軽く、Downは重く着地するように。

■講師:ジャン・シュレム
■受講生:ランバート・ジュン・ヤン・チェン
■シューベルト:アルペジョーネソナタ

・楽譜を読むだけではなく理解しなければならない。
・シューベルトはアクセントに注意。アクセントは短くない。音符より大きく。シューベルトの自筆ではアクセントの>をディミニエンドのように書いている。音量ではなくリズムを聞いて欲しい。
同じアクセントでも意味が違う。それを理解して。
・ナポリの六度、サブドミナントでなかなかトニカに戻らないで思わせぶりようやくa-mollに戻る。
・和声の動きに合わせた音色で。
・毎日スコアを読むこと。必ず発見があるはず。

5月28日

■講師:今井信子
■受講生:パク・キョンミン
■受講曲:武満徹:鳥が道に降りてきた

楽譜をスライドで映しながら曲の解説・分析を交えながら語っていた。
曲を初演した者は次世代に引き継ぐ責任があるというような事を本で書いていたが、それを思わせるように熱心に語っていた。この曲は献呈も今井さん。

■講師:店村眞積
■受講生:レイチェル・ク(定刻に現れなかったのでパク・キョンミンが引き続いて受講)
■受講曲:シューベルト:アルペジョーネソナタ

・弓の使い方が、アタック、膨らむ、ディミニエンドになっている。自然だけどシューベルトを全部それで弾くと重くなる。
・あなたは先弓10センチが必ずディミニエンドになる。審査のためホールの後ろで聴いていると非常に気になる。
誰が言ったのか知らないけど弓を全部使う必要はないから先と元を使わないで、真中も膨らまないようにして弾いてみて。
・移弦すると低い音でも上の音になる。
それを利用すると楽に自然に弾ける。
・お腹より少し上までで呼吸すること。シューベルトは真ん中より少し上。これがモーツァルトならもっと上、ブラームスなら下になる。

■講師:トーマス・リーブル
■受講生:ベリー・ジェレミー
■受講曲:バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番

「絶対音感がないというので試してみましょう。」ということで、415Hzでチューニングして始まる。ピッチを下げると倍音が多くより響きが感じられる。バロック(バッハ)っぽく弾くためのアドヴァイスが主。

・一つ一つの音を抜いて。
・一拍ずつではなく一小節ずつ音楽を感じて
・サラバンドは二拍目のステップが大きいので慌てずゆったりと。

■講師:岡田伸夫
■受講生:辻菜々子
■受講曲:ヒンデミット:ヴィオラソナタ Op.25-4

・ヒンデミットは、自分が属したオケに振りに来ていたらしいが、とにかくアバウトな人だったらしい。
 なので楽譜にずっとfと書いていても真に受けないで自分なりにイメージして。
・2・4ポジは何故か倍音が少ない。1ポジは弾くのが楽。自分が表現しやすいポジションで弾けばいい。
・4拍と6拍のコントラストをつけて。
・同じ旋律の繰り返しは、ベートーベンなら同じように弾くのもアリかも知れないが、音色でもダイナミクスでも何でもいいから何かしら変えて。

■講師:ガース・ノックス
■受講生:バイダー・ロテム
■受講曲:ガース・ノックス:無伴奏ヴィオラのための"Fuga Libre"

 コンクールの課題曲(委嘱作)なので作曲者本人の解説を交えながら。

・曲名はキューバ・リブレ(カクテルの名前)のもじり。
・バッハのような厳格なフーガではなく名前の通り自由なフーガ。
フランス語などでは「逃げる」という意味もある。
・三声で一つの声部だけfのところは、テクニック的にはスピードが必要。

■講師:川崎雅夫
■受講生:牧野葵美
■受講曲:ブラームス:ヴィオラソナタ第2番

・ビブラート 細かいことは余り気にしないでいい。客はきれいに聴こえている時は全体で聞いている。今一だった時に初めてヴィブラートが足りないとか分析し始める。

川崎さんはずっとアメリカでしか教えていないせいか、何か言おうとするとすぐ英語になる。

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