ヒラリー・ハーン ヴァイオリン協奏曲 ヒグドン&チャイコフスキー
ヒラリー・ハーン ヴァイオリン協奏曲 ヒグドン&チャイコフスキー
先週のN響の帰りに渋谷のタワー・レコードで輸入盤で求める。(なんで国内盤になると1000円も高くなるのか理解できない)余りの心地よさに一週間こればっかし聴いている。
ジェニファー・ヒグドンは現代アメリカを代表する作曲家で、ヒラリーのカーティス音楽院時代の20世紀音楽史の先生であったらしい。
恩師に委嘱したこの作品は2009初演。ヒグドンはこの作品で今年のピューリッツァー賞を受賞している。
第一楽章の表題「1726」はカーティス音楽院の住所らしい。フラジョレットによる幻想的な出だし。この旋律はフルートに引き継がれ、。管楽器の爆裂、カデンツァを経て冒頭の主題が再びフルートで繰り返される。ちなみにヒグドンはフルート奏者でもある。
第二楽章 Chaconni 再びフルートで始まる。終始牧歌的な穏やかなイメージ。
第三楽章 Fly forword。未来へ羽ばたけという恩師ヒグドンからのメッセージか。
以下は初演時のプログラムノートからヒグドンによる解説。(訳は大雑把)
人生の最も価値あるアスペクトの一つは私たちの宇宙の中にある魔法と神秘を探索し発見することだと信じています。作曲者にとってしばしばこのスリルはコンチェルトを書くことです。それは楽器の世界の探索であり、想像力の旅、楽器の限界との対決と拡張、そして特定の演奏者の贈り物の発見でもあります。
1726と題された少し変わったタイトルが付けられた最初の楽章はヒラリー・ハーンのために書かれました。この数字は作曲者とソロイストの二人にとって、そのような発見の旅の重要なアスペクトを表しています。1726はカーティス音楽院の番地です。私は私の20世紀音楽のクラスで学生だったヒラリーと初めて出会いました。ヒラリーは例外的な生徒で、クラスで情報を貪り食い、いつも新しい音楽の言語とスタイルを探求し発見することにオープンでした。このタイトルと対峙するため、私はこの楽章を通してユニゾンの間隔に七度と二度を多用しました。
第一楽章の強度の興奮は第二楽章の穏やかで哀しげな緩和に移行します。第二楽章のタイトルであるシャコンニ(Chaconni)はシャコンヌという言葉に由来します。シャコンヌとは音楽のセクションを通して繰り返される和音進行です。この場合、幾つかのシャコンヌがあります。それはソロイストとオーケストラの様々なメンバー間の対話のためのステージを形成します。ヴァイオリンの音色の美しさとアーティストの贈り物はここに現れています。
第三楽章Fly Forwardは無視できないイメージのように思え、私はソロイストにそれをさせるという考えに抵抗できませんでした。歴史の中のコンチェルトは常にソロイストがその偉大なヴィルトォオーシティの技によって聴衆を喜ばせることを許してきたし、作曲家がそうすることができるソロイストの能力の本物の贈り物を目の前にしてその夢を現実にしようとしないのは無謀なことでしょう。
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